
本記事では、現在計画や建設が進んでいて、これから完成する日本のスタジアムを紹介します。(改修含む)
※サッカーの試合で使われるスタジアムを主に選定しています。
2026年
2026年には1つのスタジアム建設計画と競技場改修工事が具体的に進んでいます。
名古屋市瑞穂公園陸上競技場(名古屋グランパス)

2026年に開催されるアジア競技大会に向けて「パロマ瑞穂スタジアム」の建て替えが行われます。
「聖地瑞穂」と呼ばれ、名古屋グランパスに長く愛されてきたパロマ瑞穂スタジアムは、2020年シーズンを最後に幕を閉じました。(参考:パロマ瑞穂スタジアムで観戦)
旧スタジアムの面影は全く残らず、新しいスタジアムへと生まれ変わります。

スタジアムのデザインは「国立競技場」のように木材を用いて周囲の景観に配慮した外観です。
スタジアムのコンコースと外周部のデッキがつながっていて、街や公園、スタジアムが一体となっているように感じますね。
札幌厚別公園競技場改修(コンサドーレ札幌)

北海道コンサドーレ札幌サポーターに「聖地・厚別」と親しまれている「札幌厚別公園競技場」の大規模改修工事が2024年4月から始まりました。
改修工事費は、総額26億円以上となり、スタンドや壁の補修、屋根の更新や陸上トラックの張り替えなどが行われます。
2026年3月に改修工事が完了する予定です。
2028年
2028年は、1つのスタジアム建設が計画されています。
天童市新スタジアム(モンテディオ山形)

2022年4月7日、現在モンテディオ山形がホームとして使用している「NDソフトスタジアム山形」南側の特設駐車場に、新スタジアムを建設することが山形県に認可されました。
2025年に運用開始を目標として、収容人数2万人規模、スタンド全面屋根付きのスタジアムを建設する予定でした。
ただ2023年4月27日に「2025年の開幕にスタジアム完成は間に合わない」と発表されました。
そして2023年10月には、2025年に着工し2027年の完成を目指すと発表。
スタジアムだけでなく、宿泊やレジャーなど複合施設を併設し観光拠点も計画されています。
2024年6月2日には、新スタジアムについて、建設や運営を担う新会社が設立され、同年8月8日には、新スタジアムの概要が発表されました。
工事のスケジュールは、2025年秋に着工し、2028年夏に開業予定となっています。
収容人数は約1万5,000人で、建設費は約158億円と公表されています。
2029年
2029年には1つのスタジアム建設計画が進んでいます。
等々力陸上競技場改修(川崎フロンターレ)

「等々力緑地再編整備・運営等事業」の一環で、「等々力陸上競技場」の球技専用スタジアムへの改修工事が行われます。
現在の陸上競技場は、2015年にメインスタンドが改修されました。
南北のサイドスタンドとバックスタンドは、元々メインスタンドとは独立しており、メインスタンドを除く部分が、新しく整備されます。
現在は収容人数約2万7千人ほどですが、約3万5千人規模へ増設されます。
球技専用になり、観客席とフィールドが近づくことで、よりワクワクするスタジアムへ生まれ変わります。
スタジアムの工事時期は未定ですが、2029年度末までに公園全体の整備が完了する計画です。
2030年
2030年には1つのスタジアム建設計画が進んでいます。
富山県新サッカースタジアム

2024年12月に、富山県初のサッカー専用スタジアム建設構想が発表されました。
建設地は富山駅の東エリアが候補地とされています。
現在「富山県総合運動公園陸上競技場」をホームとしているカターレ富山のホームスタジアムとして、収容人数は1万人~1万5千人程度を想定しているようです。
2030年代前半の開業を目指しています。
2031年
2031年には1つのスタジアム建設計画が進んでいます。
奈良県球技専用スタジアム

2031年に開催される奈良県での国民体育大会に向けて、田原本町に2万人収容の球技専用スタジアムが計画されています。
奈良クラブは2022シーズンのJFLで優勝し、J3リーグへ初昇格を果たしました。
J3リーグであれば、現在使用している「ロートフィールド奈良」や「奈良県立橿原公苑陸上競技場」でもライセンス問題はありませんが、もし奈良クラブが将来J2リーグへ昇格することがあれば、田原本町に完成する新スタジアムを本拠地とすることも予想できますね。
2032年
2032年には1つのスタジアム建設計画が進んでいます。
秋田スタジアム(ブラウブリッツ秋田)

2017年にブラウブリッツ秋田がJ3リーグ優勝を成し遂げたものの、当時のホーム「あきぎんスタジアム」がJリーグ基準を満たしていなかったことで、J2リーグに昇格できませんでした。
これをきっかけに秋田の新スタジアム建設機運が高まり、現在ホームとして使用している「ソユースタジアム」に大型映像装置と照明が設置されJ2ライセンスを取得。
2020シーズンに再びJ3リーグを無敗で優勝し、J2に昇格することができました。
現在、ブラウブリッツ秋田は雨風を防ぐ屋根付きの球技専用スタジアム建設を目指しています。
2024年2月22日、秋田市郊外の外旭川地区に1万人規模のスタジアムを整備することで合意されました。

新スタジアムの建設予定地は、外旭川地区にある卸売市場の再整備で生じる余剰地を候補としています。
ブラウブリッツ秋田が現在ホームスタジアムとしている「ソユースタジアム」は、秋田駅が最寄り駅となっていますが、新スタジアムの建設予定地は、秋田駅から離れた位置にあり、Jリーグ観戦時のビジターサポーターにとってはアクセスはやや悪くなると予想されます。
2030年6月に着工、2032年夏の竣工を目指していますが、整備のために必要な資金調達に課題があるとのことです。
上記から一転して2024年11月には、新スタジアムの建設予定地を八橋運動公園の第2球場と健康広場とする案が正式に決定したとの報道がありました。
時期未定
スタジアム建設計画の話は出ているものの、時期や計画自体がはっきりとしていないものを合わせて紹介します。
水戸サッカースタジアム(水戸ホーリーホック)

2022年10月20日「水戸ホーリーホック 新スタジアム建設計画の進捗状況に関する記者発表」によると、新スタジアムは2028年度の竣工を目指して計画を進めています。
計画通りに進めば、水戸ホーリーホックは2029シーズンから新スタジアムですね。
現時点で建設地は公表されておらず、15,000席の球技専用スタジアムが計画されています。
ところが2025年1月31日には、2028年度としてきた完成時期を「白紙」にするなど計画を見直すと発表されました。
計画当初よりも建設費が高騰している影響も一つにありますが、建設予定地の選定が難航しているとのことです。
いわきFC新スタジアム

2023シーズン以降、いわきFCは改修工事が完了した「いわきグリーンフィールド」を使用できますが、当スタジアムはJ2リーグのライセンス基準を満たしていない問題があります。
"いわきFCがJFLからJ3リーグ昇格後、1年でJ2リーグに昇格する"という嬉しい誤算が起こったため、J2で戦い続けるために2025年6月までにスタジアム整備計画を提示する必要が生じました。
そこでいわき市は、いわきFCがJ1に昇格することも視野にいれて、2025年6月を目途にJ1基準を満たすスタジアムの整備計画を作る方針を示しました。
計画通り進めば、2027年6月末までに新スタジアム着工する予定です。
東京都葛飾区サッカー専用スタジアム
葛飾区のサッカーチーム「南葛SC」のホームスタジアムとして、JR新小岩駅近くに1万5千人規模のサッカー専用スタジアムが建設される見込みです。
スタジアム整備予定地は、現在「私学事業団総合運動場」がある敷地で、JR新小岩駅から徒歩10分ほどの位置となります。
建設が実現すれば、開業は2030年以降になると予想されます。
清水エスパルス新スタジアム
清水エスパルスが長くホームとして使用してきた「IAIスタジアム日本平」は、屋根のカバー率がJリーグの基準を満たしていないことや、交通アクセスがよくないことから、JR清水駅東口にあるエネオス跡地に新スタジアム建設が検討されています。
ただし建設候補地の課題が多く、下記のような理由で建設が難しいとも言われていました。
- タンクの撤去費用
- 製油所の跡地のため土壌汚染調査→地盤改良費用が必要な場合あり
- 海に近いため津波対策
- 液状化対策
- 近くに病院があるため騒音対策
- 駅近のため混雑対策
清水駅近くに新設が難しい場合には、現スタジアム(IAIスタジアム日本平)を改修することも検討されます。

駅前にスタジアムができるのは嬉しいですが、Jリーグ試合開催日は清水駅からシャトルバスが出ていたので、既存スタジアムでも個人的にはそこまでアクセス不便な印象はありませんでした……。
山梨県フットボール専用スタジアム

山梨県は、2017年に収容人数2万人程度のフットボール専用スタジアムを建設する計画を発表しました。
建設地は、現在ヴァンフォーレ甲府のホーム「JITリサイクルインクスタジアム」のある甲府・小瀬スポーツ公園内となります。
ただし2023年には山梨県は総合球技場の建設について、否定的な考えを示しており、具体的な計画は進んでいない状況です。
2024年4月に「MWARENAproject」という任意プロジェクト(構想)が立ち上がっています。
コンセプトは「ヴァンフォーレ甲府のホームタウンである山梨県甲府市に、行政に深く頼らない民間の力でサッカースタジアムを建設し、それを主役に"まちづくりのムーブメントを起こそう!"」とのことです。
鹿島アントラーズ新サッカースタジアム
鹿島アントラーズは、2021年10月時点で5~10年後に新スタジアムを建設すると発表しています。
「カシマサッカースタジアム」は潮風による塩害や維持費の増大など課題があるとされています。
2023年5月には「2026年までを目途にプロジェクトの方針発表を行う」と発表しました。
鹿児島市サッカースタジアム(鹿児島ユナイテッドFC)

まだ具体的な計画内容やスケジュールは決まっていないものの、鹿児島の中心市街地に位置する"まちなかスタジアム"を建設しようと、鹿児島市長は意欲的です。
ただ2024年2月13日に、鹿児島市の市長は、多機能複合型サッカースタジアム構想について、鹿児島港本港区北ふ頭での整備を断念すると表明しました。
沖縄県サッカー専用スタジアム(FC琉球)

2017年に公表された沖縄県のJ1規格のサッカー専用スタジアムですが、計画は進んでいない状況でした。
スタジアム建設への動きがみられないため、2024年シーズン中、FC琉球は成績に関わらずJ2リーグに昇格できない可能性があると、Jリーグから指摘を受けていました。
上記を受けて、2024年6月にFC琉球は、遅くとも7年後の2031年度に新スタジアムを完成させると発表しました。
大分市サッカー専用スタジアム
2024年12月末、株式会社ティーケーピー(TKP)が、大分市の中心部にサッカー専用スタジアムの整備を検討していると公表されました。
TKPはJリーグに所属する大分トリニータの主要株主となっています。
既存の大分市営陸上競技場を、1万5,000人規模収容のサッカースタジアムに改修する方針です。
開業は2028年以降を目指しています。
岡山フットボール専用スタジアム

2024年シーズンにJ2リーグに所属していたファジアーノ岡山は、J1昇格プレーオフを勝ち上がり、2025年シーズンから初のJ1リーグ参入を決めました。
2025年のファジアーノ岡山新体制発表会見にて、J1規模の新スタジアム建設構想が言及されました。
現在ファジアーノ岡山がホームで使用している「岡山県総合グラウンド」は収容1万5,500人程度で運用されており、J1平均の2万人を超えるスタジアムを建設する議論を進めます。
スケジュールや具体的な計画は未定です。